食べ頃シネマ 〜映画&美味しいもの!ライター&イラストレーターによるシネマレビュー〜

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探偵はBARにいる

玉ねぎをバターで炒め、ほどよいところで、しおこしょうした薄切りの牛肉を入れる。
赤ワインを加え、デミグラスソースとトマトソース(またはケチャップ)を入れて煮こみ
しおこしょうで味を調える。

そう、ハヤシライスの出来上がり。
マッシュルームとか、なんやかやとシャレたものは入れないことにしよう。
ひたすらにシンプルなハヤシライスだ。

これを、よーく混ぜながら食べるのか、スプーンでほどよくご飯とルーをすくって食べるのか、
食べ方はまかせよう。
でも、カウンターかそれに似たテーブルがあれば、そこで食べてほしい。

何を観ながら?
「探偵はBARにいる」を観ながら……。

探偵の俺(大泉洋)は、探偵。そりゃそうだ。
たいてい、すすきののバーにいる。そのままだ。
ケータイを持っていない。連絡はバーの電話へどうぞ。

相棒の高田(松田龍平)は、相棒。そりゃそうだ。そして運転手も兼ねている。
たいてい眠そうだ。でもむちゃくちゃ喧嘩が強い。空手の師範代なのだ。

探偵は依頼に応える。そりゃそうだ。
探偵は危ない目によくあう。そう相場が決まっている。
探偵は依頼主を守る。そうでなくっちゃ。
探偵はうまくいきかけて、うまくいかず危ない目によくあう。そう相場が決まっている。

大泉洋は恰好をつける。その感じがなんだかしっくりこない。
松田龍平は恰好をつけない。その感じがどうにもしっくりくる。
今作のキーマン沙織(小雪)は、いろいろありそう、何かがありそうだ。だからキーマンなのだ。

謎とまではいかない、トリックとも違う、「そうなの?どうなの?」のうちに物語が進んでいく。
ほうら、だからハヤシライスを先にいいペースで食べておいて良かった。

作品は、2が出来、2017年には3の公開が決定している。
2もお供はハヤシライスでいいのか否か。それはあなた自身で試してみてほしい。
(Kuri)

探偵はBARにいる



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イルポスティーノ

「イルポスティーノ」はイタリア語で郵便屋さんのこと。

パブロ・ネルーダはチリが生んだ偉大な詩人。この映画は実在の人物をモデルに描かれた作品だ。
物語はパブロ(フィリップ・ノワレ)がチリからイタリアの小さな島に亡命してきたところから始まる。

漁師の息子マリオ(マッシモ・トロイージ)は、父の跡を継がず、イルポスティーノとして仕事を得る。
郵便配達先は、パブロ宛のみ。チリはもとより世界中のファンから彼の元にはファンレターが届くからだ。
街から自転車に乗り、パブロの家を訪ねるマリオ。
彼の暮らしぶりに興味が湧くし、何より詩に興味を抱く。
マリオが詩作について教えを乞うと、パブロが言った言葉が素敵だった。
「入江に向かい、ゆっくり岸を歩きなさい」


まったくもって酔わせるセリフだ。
で、どうせならもっと酔いたいので、赤ワインをグラスでどうぞ。
フォルムの美しい高そうなワイングラスは、No no!
カフェグラスでSalute!

マリオは島のパブで働くベアトリーチェ・ルッソ(マリア・グラツィア・クチノッタ)に恋をする。
パブロにこの島で美しいものを言ってごらんと聞かれ、悩んだ末に答えたのは
「ベアトリーチェ」


まったくもって飲みたくなるセリフだ。
そうよ、ルッソ→ロッソにかけて赤ワインなのだもの。
ちなみにLussoとは、イタリア語で贅沢という意味なんですって。
彼女に出会い、恋をしたことは、マリオにとって最高に贅沢なことだったのかもなぁなんて。

地位も暮らしも異なるパブロとマリオだが、二人は交流を深め友人同士となる。
派手にドラマチックにではなく、その自然な進みが心地よく、ワインがすすみそう。
そうそう、ワインのつまみはオイルサーディンがいいでしょう。
こちらも気取らず、缶詰のままでいっちゃいましょ。

二人の友情は、二人の運命は・・・・・・。

運命と言えば、マリオを演じたマッシモ・トロイージ、この映画の脚本も担当していた彼は、
この撮影が終了した12時間後に、心臓病で亡くなった。
手術を延ばし、命がけでこの作品を完成させたのだ。

彼にとって美しいものは何かと聞いたら、「映画」と答えたのかもなぁ。
(Kuri)

イル・ポスティーノ



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食べシネ散歩~富士と橋の上と編~

パトリス・ルコント監督作品「橋の上の娘」を観ました。
セーヌ川の橋の上でアデル(ヴァネッサ・パラディ)が出会ったのは、
中年のナイフ投げの曲芸師ガボール(ダニエル・オートゥイユ)。
生きることに意味を見つけられなかった二人は、モナコ、イタリア、トルコと旅をしながら、
互いを必要としていく。それは・・・・・・。

橋の上の娘


全編モノクロのフランス映画。喉が渇いた。
欲しいのは、水なのか、炭酸なのか、アルコールではなさそうな。

と、いうことで、その喉の渇きについての答えは置いておいて、
モノクロの世界から、色のある世界へと、ひっさびさの食べシネ散歩に出ることにしたのです。

あのお方のようこそ!

飛び乗ったのは、東海道新幹線。
進行方向の右列(2列シート)に座り、出発!
東京駅から約45分で三島駅に到着します。
2列シートに座っていると、途中から富士山が見えてきて、テンションは抑えようとしてもあがってきます。
で、三島駅で下車すると、駅のホームから「ようこそ!」と富士山がお出迎え。
これ、言い過ぎでもなんでもなく「ようこそ!」とされるんです!

モノクロの世界から、清々しきカラーの世界へ。
澄み渡る青空と、あの美しき富士山というかお富士さまの姿に心が躍らない人がいるでしょうか。

今回の食べシネ散歩には、友人で整理収納アドバイザーの三ツ井さくらさんにご一緒いただき、
現地に着いてからは、Kuri&Yukiがお仕事させていただいた、三島在住の整理収納アドバイザーでわけるくんの生みの親、関美恵子さんにお世話になりました。

ということで、富士のふもとで食べシネ散歩が楽しくなる極意その1
たまには足をぐーんと伸ばしちゃおう!
富士山に会えたら素直にテンション上げちゃおう!


三島に着いたら、11時開店のおよそ15分前には着きたいところ。
それはうなぎの名店創業60年の「うなよし」さん。
あっ!というまに行列ができてしまい、なくなり次第終了なので、開店と同時に入れたらラッキー!

えっ!? 「昼前からうなぎってヘビーじゃない?」って今、言いました?
何をおっしゃいますやら、新幹線に乗る前からちゃーんと予定していれば
ちゃーんとお腹は、うなぎ殿を迎える準備が整うのですよ。

富士山の伏流水に曝したうなぎは、身がしまり、生臭さがなく美味。
タレも甘すぎず、(予定通り)昼からでもペロリといただけます。

うなよし


富士のふもとで食べシネ散歩が楽しくなる極意その2
おいしいもののためには、躊躇せず腹時計のほうをスケジュールにあわせよう!


店を出たところでもまた、「ちはっす!」と言ってくれるお富士さま。
そして次に向かうのは、「橋」なのです。

吊り橋とボブ・ディラン、みたいな

「三島スカイウォーク」は、平成27年12月に開通した歩行者専用としては日本最長の吊り橋。
ちなみに橋の正式名称は「箱根西麓・三島大吊橋」というのだそう。
橋の上からは駿河湾をのぞみ、伊豆の山が見え、そしてお富士さまが目の前に広がります。

全長400メートル、まあまあ揺れます。人が多ければもっと揺れるそうな。
全長400メートル、まあまあ距離あります。
橋を渡りきると展望デッキの横で、何やらユニークなものを発見!
それは間伐材に花の種が付いたプレートで、橋の上から願い事をしながら投げると、
希望の花が咲いて、願いも叶うかも! というわけです。
旅先(散歩先)では、こういうものに軽々と乗っていくのがまた楽し・・・ですので、1プレート200円。

このプレート、自分で好きなものをおみくじのようにひく仕掛けになっていて、
裏にちょっぴりメッセージが書かれています。
4人でひいたら、4人とも違うメッセージが出ました。
ちなみに、当食べ頃シネマテキスト担当Kuriは「SKY~もっと自由に!」、
イラスト担当Yukiは「WIND~気のむくままに」でした。
もっと自由に、気のむくままに・・・・・・。
そんなわけで、ボブ・ディランもびっくりな感じで、食べシネこれからも続けます(笑)。

復路の吊り橋の上から、このプレートを投げました。
いつ頃、どんな花が咲くのでしょうか。
そして願い事は・・・、あっ! 投げる方向やらなにやらが気になって、願い事忘れてました。
これもある意味、吊り橋効果ということでしょうか。

スカイウォーク


富士のふもとで食べシネ散歩が楽しくなる極意その3
願い事はせずとも、答えは風に吹かれている~♪ 
もとい、モノより思い出、だって普通は橋の上からモノを投げたら怒られますからね。

高いところからお富士さまをたくさん見た後は、
由緒正しきところへ足を向けましょう。
三嶋大社。
大鳥居から総門をくぐって神門、舞殿、本殿へとつづく直線。
単純かもしれませんが、心新たかな気持ちになります。
桜の頃は、それはそれは見事な景観を見せてくれるのだそうです。

三島大社



境内を出て、通りへ向かうと、見上げる先にはやはりお富士さま。
そろそろお暇の時間となった私たちにむけて
「またいつでもいらっしゃいな」と言ってくれてます。

お富士さま、気安く何度も呼んでしまってすみません。
しかも、男っぽかったり、若者っぽかったり、女っぽかったりと
キャラが定まらなくてすみません。でもお富士さまって全く見飽きないのですね。

富士のふもとで食べシネ散歩が楽しくなる極意その4
いつでも空を見上げる、だってそこに日本一の山があるから

「橋の上の娘」のアデルは、物語のはじめは空なんて見上げていませんでしたね。
橋の下の川ばかり見ていた。いや、本当は川も見ていなかったかもしれません。

富士見と名のつく地名や場所は、いくつもあって、でも昔は見えたけれど今は見えないというところも多いですね。
見えなければ見に行けばいいんだ。
そんな当たり前だけどしていなかったことに気づけた今回の食べシネ散歩はここまで。

またふらりと出かけることにいたしましょう。
(Kuri)





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恋するベーカリー

「恋するベーカリー」
「恋愛適齢期」や「ホリデイ」、「マイ・インターン」を手掛けた、ナンシー・マイヤーズ脚本・監督作品。

このタイトルからしたら、そうよね、映画にも出てくるチョコクロワッサンが食べたくなる映画よね。以上。
となりそうなものだけど、まずは物言いをちょいとだけ。

「恋するベーカリー」という邦題に異議あり!
だってね、原題は「It's Complicated」です。複雑な…という意味ですが、
それがどうすると恋するベーカリーなのでしょう。もうこれは、「こういうタイトルをつければ見に来るよね」という、
私たちターゲットに付けられた感ありありですもの。なんか悔しい~~。
(真剣に、多くの人に見てもらうために、考えて決めたプロの方々がいることも十分承知の上ですが)

さて、これで内容がつまらなかったらもっとヒートアップしてしまうのですが、
面白かったので、はい、ここでクールダウンしましょう。
ミックスジュースを用意してください。
そう、野菜や果物を入れてジューサーでまぜまぜして、ゴクゴクといただくミックスジュースです。
緑の葉野菜や柑橘で作った緑のジュース、ベリーやトマトなどが入った赤のミックスジュースと2種類あれば完璧です。

ベーカリーを切り盛りするジェーン(メリル・ストリープ)は、3人の子どもの母親。
長女はまもなく結婚、末の息子も大学をめでたく卒業。
そのタイミングで再会したのは、離婚して10年、今は浮気相手だった若い女とその息子と暮らす元夫・ジェイク(アレック・ボールドウィン)。
同じ頃、自宅の改築を担当する建築家のアダム(スティーブ・マーティン)とも知り合う。

ある夜、元夫・ジェイクと情事に及んでしまったところから、ジェーンの心は揺れまくる。
誠実でやさしいアダムとの関係も気になりつつ……。

ちょっと待ってよママ! おいおいマジかよ、お義母さん! まさか、ホントなのー!?
子ども、婚約者のハーレイ(ジョン・クラシンスキー)や、ジェーンの友人たちの反応はさまざま。

不倫された元夫と不倫とはなんたることなの!と本人も同様を隠せない。
一方のジェイクは、ノリノリだけど果たしてどうなる!?


自分の心、家族の思い、元夫との関係、新しい恋人の存在、
いろいろ混ざって、ただただ甘いとか、ただただ美味しいとかじゃない
ちょっとの苦みや酸っぱさ、灰汁だって感じるかも。
ミックスジュースみたいにね。
飲みやすく加工された市販のミックスジュースにはない複雑な味、
なのかもしれませんよ、人生は。

最後に、この作品がDVD化されて発売されたときには、「恋するベーカリー 〜別れた夫と恋愛する場合〜」
というサブタイトルがついたそうですが、うーん。
やっぱりタイトルについては、複雑な思いがしてなりません。あ。
(Kuri)

恋するベーカリー




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マイ・フェア・レディ

「マイ・フェア・レディ」と聞いたら、何をイメージするだろうか?

やはり主演のオードリー・ヘプバーン、そしてあの大きなお帽子と白と黒のドレス。
もともとの舞台版に主演した、ジュリー・アンドリュースの歌声。
日本で長くこの舞台に主演した大地真央。
♪運が良けりゃ ♪踊り明かそう ♪君住む街角でなどの名曲の数々。
ヘプバーンの歌声は吹き替えで、マーニ・ニクソンが歌っていること。

まだまだ数え上げたらキリがない。
それくらい有名な、今から50年以上前に作られた名作ミュージカル映画だ。
インターミッションが入る長編でもある。

イギリスの下町で花売り娘をするイライザ(オードリー・ヘプバーン)は、
ある日、言語学者のヒギンズ教授(レックス・ハリソン)の目に留まる。
ヒギンズは、話し言葉を聴くだけで、どの地域の出身かを言い当てられる言語学のプロ。
粗雑で訛りのある言葉を話すイライザを矯正して、一人前のレディにできるか否かを
仲良しのピカリング大佐と賭けをすることになった。
教授のマンツーマン特訓の甲斐もあり、イライザは美しい言葉を話せるようになり、お披露目の場へと出ていくが……。


だいぶ手前でストーリーを切ってみた。
ミュージカルだから、場面が動くタイミングや気持ちの高まりに合わせて、楽し気な歌、
伸びやかなメロディーが出てくる。
出てくる曲は、いろいろな形で世に出ているので、耳なじみのものも多い。
ミュージカル曲として有名なものはもちろん、CMなどでパロディ的に使われているものも。

ちなみに、♪運が良けりゃ は、1990年代に所ジョージ出演CMで ♪〇〇で元気! と歌われていたりもした。
アスコット競馬場でイライザに一目ぼれしたフレディ(ジェレミー・ブレッド)が、恋する気持ちをロマンティックに歌う
♪君住む街かど On The Street Where You Liveは、あのプラシド・ドミンゴが歌い上げてもいる。

さて、インターミッションのあたりで用意したいのは、ヴィシソワーズ。
そう、じゃがいもの冷製スープだ。
白く美しいスープに、黒コショウなど仕上げにふって、お上品にいただこう。
クリーミーな味わいの中に、じゃがいもの素朴なうまみが、なんだかイライザに重なるような。

そういえば、映画では例のあのマーメイドラインが美しいドレスを身にまとったイライザが登場する
アスコット競馬場のシーンで、ストップモーションが出てくる。
2016年にアメリカを中心にSNS上で流行した「マネキンチャレンジ」か? という感じで
今、観ると逆にこのシーンが新鮮かも。

さあ、ヴィシソワーズをいただきながら後半のつづきをどうぞ。
足元にはスリッパをお忘れなく!
(Kuri)

マイフェアレディ



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