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最強のふたり

アース・ウィンド&ファイアーの♪セプテンバーが始まってすぐに大音量で流れます。
あれ、これフランス映画だったよね?

すっかりご機嫌になって、ふたりを見るのです。
「最強のふたり」。

一人はフィリップ(フランソワ・クリュゼ)。
お金持ち、事故により首から下が不自由な体となり、車椅子生活を送っています。
彼のお世話をする介護人の募集をかけると、たくさんの応募があるのだけど、なかなか難しいようで。

一人は、そのフィリップの元にやってきた無職のドリス(オマール・シー)。
家庭環境はどうにも円満と言えそうもなくて、面接も、失業手当てのための便宜上のサインが欲しいだけのよう。

この水と油みたいなふたりが、雇い主と雇われ主、介護される側とする側になるのだけど、
どうしてドリスは雇われて、なんでフィリップは気持ちの変化を見せていくのかは、本編でしっかりチェックして欲しいところです。


永年この屋敷に務めるフィリップの助手イヴォンヌ(アンヌ・ル・ニ)や、秘書のマガリー(オドレイ・フルーロ)など、
その他のキャラクターもいかしています。
よく、水と油の二人を描くドラマでは、周りから固めていき、やがて・・・…というパターンがありますが、
最強のふたりのドリスは、フィリップに対して最初からバシバシと距離近く相対していきます。
その加減が、いや、加減のなさがなんともユーモラスで、ニヤついてしまうこと多々あり。
人間らしくて、いろいろなフィルターをさくっと外してくれるのです。

テーブルには、チキンのハニーマスタード焼きを用意しましょう。
ハニーとマスタード、この一見相容れない二種が、絶妙に合うことは、この料理がもっとも表してくれるはず。
ワインと共にいただくなら、せっかくなので、フランスワインにしちゃいましょ。

甘いの?辛いの?しょっぱいかな?いや、ちょっと酸っぱいかしら?
なんだか人生にも似ているような。
それこそこの「最強のふたり」のストーリーが、実在する2人の人物をモデルにしていることからも表されています。

アース・ウィンド&ファイアーの曲に、ゴキゲンになりつつ、エンドロールもぜひしっかりと見届けてくださいね。
(kuri)

最強のふたり



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6才のボクが、大人になるまで。

「6才のボクが、大人になるまで。」
いい邦題です。いくつを大人というかは、人によって価値観が異なりますが、
メイソンJr.(エラー・コルトレーン)が6才から18才になるまでを、彼と彼の家族や友人と共に描きます。

尻尾がはえてそうなおチビちゃんの頃から、髭が生えるほど青年になるまでの12年は、実際に撮影にかけた年数でもあります。

ドキュメンタリー映画?いいえ違います。
これはドラマなのです。映画作品なのです。
監督は「恋人までの距離(ディスタンス)」、「ビフォア・サンセット」、「ビフォア・ミッドナイト」というイーサン・ホークとジュリー・デルピーが
イケメン&キュートだった頃から、ちゃーんとおっさん&おばさんになっていく現実も見せてくれちゃった「ビフォアシリーズ」の
リチャード・リンクレイター。
彼の作品と時間というのは、切っても切れない関係なのですね。

さて、この作品の主役メイソンくんの周りにいるのは、母・オリヴィア(パトリシア・アークエット)と姉・サマンサ(ローレライ・リンクレイター)。父はメイソンSr.(イーサン・ホーク)。
父と母は若くして子どもが出来、結婚し、離婚。今は父とは離れて暮らしている。
母は、やがて2人の子持ち男と結婚するが、これがまた難ありで……。


自分たちだけで生きていくことは幼い姉弟には無理なわけで、母の選択に運命を任せていくしかない。
置かれた環境に馴染んだり、馴染まなかったり、楽しかったり、居づらかったり。
だからメイソンは全編を通じて、少し憂いを帯びた目をしています。
父とは定期的に再会し、案外いい関係を保っている。これもアメリカっぽいな。

さて、長期間をなかなかの長時間で描いているこの作品を観ながら、何食べる?
ラザニアなどいかがでしょう。
パスタとソースを幾重にかさね、なんならポテトなんかも間に入れていきましょう。
重なるパスタはメイソンが歳を重ねていく感じに、適度にゴロゴロ入ったポテトなどの具は、
人生の途中にある障害物や、とまどいみたいなもののよう。
でも家族というソースが彼の人生を味のあるものにしているんだよなーなんて思えるかもしれないですね。

途中で冷めたら、チーズをさらに乗せてもう一度焼いてみたっていいのでは?
タバスコをかけるのも賛成です!

18才、自分の進路と向き合うメイソンは、もうすっかり「カワイイ少年」ではなくなっているけれど、
彼の器用とは言えないだろうこれからの生き方も静かに応援したくなってきます。

この作品の制作は2014年。
ひょっとしたら、同じキャストで続編があったりもする?
そうだとしても、それはまだずっと先の話のような気もするので、ラザニアのお皿は一度カラにしてくださいね。
(kuri)


6才のボクが、大人になるまで。




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きっと、うまくいく

「インド映画、ボリウッド映画は上映時間が長いからちょっとなー」と敬遠していた方に言いたい!
「きっと、うまくいく」は170分ありますよ。でも、長く感じないんだなぁ、これが。

ランチョー(アーミル・カーン)、ラージュー(シャルマン・ジョーシー)、ファルハーン(R・マーダビン)は、
インドの優秀な工科大学ICEの学生。
同部屋になった3人の中でも、ランチョーは目立つ存在だ。
なぜ目立つかと言えば、競争主義の大学に対して、
それを誇りとして学生たちを煽る学長に対して、真っ向からモノ申すから。
彼らは当然、目の敵にされるのだが、そのわかりやすい対立の中で、
おふざけがあるし、茶目っ気があるし、そうだそうだ!と
思うところもあれば、身につまされるところもあるような。


タイトルの「もっと、うまくいく」は、ランチョーたちの合言葉。
「AAL IZZ WELL(アールイズウェール)」と時に胸に手を当てて唱え、時に歌う♪
そう、歌う♪ だってボリウッド!!

突然歌いだすってどうなの? と思うかもしれないが、そう思わないのがボリウッド映画のすごいところ。
で、歌いだすとね、何か食べたくもなりますよ。
どうしようかな、3人だなー、80年代アイドルみたいな並びだなー。
そんな風に見ていたら、カラフルなパプリカが思い浮かんでしまった。
ざっくりカットして、とろけるチーズ+マヨネーズを乗せたりして、グリルでこんがり焼き目をつけよう。
さっぱりいただく焼きパプリカじゃなくて、マヨチーズ味にしちゃうのは、これが若者たちの物語だからかな。
そうそう、マヨネーズにカレーパウダーをちょっと混ぜちゃうのもいいよね。

インターミッションも入るので、ここでパクッといただくのもオススメ。

さて、映画は3人の大学生の青春物語がベースだが、
実は少しミステリアスな部分もあるし、それぞれの家庭環境など、ドラマチックなことがたくさんある。
あ、もちろん!? ラブも!

なんだろう、この盛り込み具合なら1クールのドラマ作れるよね~な位。
ほら、だから170分、ちーっとも飽きないのだ。
yukiさん曰く、ランチョー役のアーミル・カーンは、イライジャ・ウッドとジュード・ロウを足して2で割った系。
たしかに……。でも、たまにミスター・ビーンに見えるのは私だけ?

でも、ランチョーが結構涙もろいイイ奴で、泣ける映画にも入れられるかも。
「あー、面白かった!」そんなシンプルな感想を口にして映画館を出た日を思い出しながら、
改めてみて、「あー、面白かった!」
(Kuri)


きっと、うまくいく



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探偵はBARにいる

玉ねぎをバターで炒め、ほどよいところで、しおこしょうした薄切りの牛肉を入れる。
赤ワインを加え、デミグラスソースとトマトソース(またはケチャップ)を入れて煮こみ
しおこしょうで味を調える。

そう、ハヤシライスの出来上がり。
マッシュルームとか、なんやかやとシャレたものは入れないことにしよう。
ひたすらにシンプルなハヤシライスだ。

これを、よーく混ぜながら食べるのか、スプーンでほどよくご飯とルーをすくって食べるのか、
食べ方はまかせよう。
でも、カウンターかそれに似たテーブルがあれば、そこで食べてほしい。

何を観ながら?
「探偵はBARにいる」を観ながら……。

探偵の俺(大泉洋)は、探偵。そりゃそうだ。
たいてい、すすきののバーにいる。そのままだ。
ケータイを持っていない。連絡はバーの電話へどうぞ。

相棒の高田(松田龍平)は、相棒。そりゃそうだ。そして運転手も兼ねている。
たいてい眠そうだ。でもむちゃくちゃ喧嘩が強い。空手の師範代なのだ。

探偵は依頼に応える。そりゃそうだ。
探偵は危ない目によくあう。そう相場が決まっている。
探偵は依頼主を守る。そうでなくっちゃ。
探偵はうまくいきかけて、うまくいかず危ない目によくあう。そう相場が決まっている。

大泉洋は恰好をつける。その感じがなんだかしっくりこない。
松田龍平は恰好をつけない。その感じがどうにもしっくりくる。
今作のキーマン沙織(小雪)は、いろいろありそう、何かがありそうだ。だからキーマンなのだ。

謎とまではいかない、トリックとも違う、「そうなの?どうなの?」のうちに物語が進んでいく。
ほうら、だからハヤシライスを先にいいペースで食べておいて良かった。

作品は、2が出来、2017年には3の公開が決定している。
2もお供はハヤシライスでいいのか否か。それはあなた自身で試してみてほしい。
(Kuri)

探偵はBARにいる



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イルポスティーノ

「イルポスティーノ」はイタリア語で郵便屋さんのこと。

パブロ・ネルーダはチリが生んだ偉大な詩人。この映画は実在の人物をモデルに描かれた作品だ。
物語はパブロ(フィリップ・ノワレ)がチリからイタリアの小さな島に亡命してきたところから始まる。

漁師の息子マリオ(マッシモ・トロイージ)は、父の跡を継がず、イルポスティーノとして仕事を得る。
郵便配達先は、パブロ宛のみ。チリはもとより世界中のファンから彼の元にはファンレターが届くからだ。
街から自転車に乗り、パブロの家を訪ねるマリオ。
彼の暮らしぶりに興味が湧くし、何より詩に興味を抱く。
マリオが詩作について教えを乞うと、パブロが言った言葉が素敵だった。
「入江に向かい、ゆっくり岸を歩きなさい」


まったくもって酔わせるセリフだ。
で、どうせならもっと酔いたいので、赤ワインをグラスでどうぞ。
フォルムの美しい高そうなワイングラスは、No no!
カフェグラスでSalute!

マリオは島のパブで働くベアトリーチェ・ルッソ(マリア・グラツィア・クチノッタ)に恋をする。
パブロにこの島で美しいものを言ってごらんと聞かれ、悩んだ末に答えたのは
「ベアトリーチェ」


まったくもって飲みたくなるセリフだ。
そうよ、ルッソ→ロッソにかけて赤ワインなのだもの。
ちなみにLussoとは、イタリア語で贅沢という意味なんですって。
彼女に出会い、恋をしたことは、マリオにとって最高に贅沢なことだったのかもなぁなんて。

地位も暮らしも異なるパブロとマリオだが、二人は交流を深め友人同士となる。
派手にドラマチックにではなく、その自然な進みが心地よく、ワインがすすみそう。
そうそう、ワインのつまみはオイルサーディンがいいでしょう。
こちらも気取らず、缶詰のままでいっちゃいましょ。

二人の友情は、二人の運命は・・・・・・。

運命と言えば、マリオを演じたマッシモ・トロイージ、この映画の脚本も担当していた彼は、
この撮影が終了した12時間後に、心臓病で亡くなった。
手術を延ばし、命がけでこの作品を完成させたのだ。

彼にとって美しいものは何かと聞いたら、「映画」と答えたのかもなぁ。
(Kuri)

イル・ポスティーノ



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